衝撃!!空港の外で待っていたのは‥

ここは一体…

 

予定時間をかなりオーバーしてしまったが、何とか空港の外に出ることが出来た。
しかし、目の前に飛び込んできたものは‥!!

 

 

道路の向こう側には駐車場へ向かう地下道があり、その周囲には人が入ってこれないようにフェンスが張り巡らされているのだが、そのフェンスが鈴なりの人だかりで(多分、出迎えの家族なのだろう…)、しかも、皆こちらを見ながらそれぞれに何か叫んでいるではないか!

 

 

道路の脇に止まっているタクシーの列からは、「○○サ~ン、コッチコッチ!」などと何人もの白タクの運転手らしき男達が、カタコトの日本語で適当な名前で自分を呼びながら手招きまでしている。

 

 

 

 

それにしても、とにかく騒々しい!!!

 

車のエンジン音、けたたましいクラクション、出迎えの人達の叫び声、里帰りしたフィリピン人やその家族の話し声、車両を誘導する警備員の笛の音…

いろんな音、そして車の排ガスの臭いが混ざり合い、何とも言えない雰囲気が付近一帯を支配していた。

 

 

日本の夏とは違う南国特有の蒸し暑さというか、体で感じる熱風に額、背中に汗が瞬く間に吹き出してくる…!

 

 

 

「これは…とんでもない所に来てしまったぞ!」

 

 

と、いきなりのカウンターパンチを食らったような感覚に陥った…。

 

 

 

果たして彼女に会えるのか?!

 

時間をかなりオーバーしたから、もしかしたら彼女は家に帰ってしまったかもしれないな…。

 

 

そんな想いが頭に浮かんだが、とにかく待っているはずの場所に向かってみようと歩き始めると、制服姿の警官と色黒で口髭を生やした一人の男が、こちらに近付いてくるではないか!

 

「アナタ、マツダミキオ、サン?」

 

警官に簡単な日本語でそう尋ねられ、思わず
「はい、そうです!」
と答えていた。

 

 

口髭を生やした男は、実は彼女の一番上のお兄さんで、空港内のカメラに映っているのを見て迎えに来てくれたという。

 

そして、警官、彼女のお兄さんの後をついていき、駐車場へ…。

 

 

 

 

 

そこには、三ヶ月前に日本から帰国した彼女の姿があった!!

 

 

南国の陽射しの下で見る彼女は、日本にいた時よりも眩しく見えた…。
「イカウ(タガログ語で、あなた、の意味)、来ないかと思ったよ‥」

 

 

 

自分が入国審査、荷物探しで予定をかなりオーバーした為になかなか出て来ないので、多分来ないからもう帰ろう、と彼女はお兄さんに言ったらしい。それをお兄さんが、もう少しもう少しと待っていてくれたのだった。
この一番上のお兄さんには、その後も何かとお世話になることになるのだが…。

 

 

 

とにかく、彼女に会えてホッと一安心し、やっと心が落ち着いてくるのを感じた。

 

 

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