別れは突然やって来る…

ピンぼけ?!

10月のフィリピン訪問から帰国し、

日本で普段の生活に戻っていた私だが、

 

 

実はフィリピンに行く度に、毎回あることに悩まされていた。

 

 

それは…

 

日本に帰って来ると、一週間ほど何事もやる気が起きないのである。

 

 

 

いわゆる、”ピンぼけ” (フィリピンぼけ)状態である。

 

 

眩しい太陽が降り注ぎ、人々の優しい笑顔、美味しい料理、フルーツ。

そして、

決してあくせくすることのない、″フィピンタイム″。

 

 

仲間とたむろし、

昼間から道端でビールを飲んで騒いでいても、

それが普通の光景のような国。

 

貧富の格差が大きく、

国民の半数以上が貧しいと言われるフィリピンだが、

皆、今を懸命に生きている。

 

そして、心から好きなことをしているから、

とびきりの笑顔ばかりだ。

 

 

その為か、

フィリピンに行くと素の人間に戻れるような、そんな気がするのである。

 

普段は、周りの視線を気にしている日本での暮らし。

 

それが、

フィリピンという、非日常的空間に数日間滞在するだけで、

人間として「生き返る」。

 

その喜びが大きいだけに、

帰国後の現実に引き戻されることに、

 

身体と心が、激しく抵抗するのである。

 

 

だが、

今回は数年ぶりのフィリピンだったのにも関わらず、

帰国後の ”ピンぼけ” が、無かったのである。

 

フィリピンが非日常に感じなくなってきた、ということだろうか・・・

 

出なかった電話

既に帰国から半年近くたった、5月初め。

 

コロナウィルスの蔓延は日本はもとより、世界でも猛威を振るい、

 

フィリピン国内では、

庶民の外出などの行動が厳しく制限されていた。

 

一家族のうち、

許可証を持つ者しか外出が許されず、

市場などへの買い物も、自由に出来ない状態だと聞いていた。

 

 

そんなある日、

Messenger の電話着信音が激しく鳴った。

 

時間は、朝の7時過ぎ。

妻のお兄さんからの、呼び出しだった。

 

 

「こんな朝早くから、一体何だ?!」

 

 

そう言えば先日も、

お母さんの通院代、薬代のお金を送ってほしい…

と言ってきたので、

 

「もう少し待ってて…」

 

と言っておいたのに、またお金のことか?!

それも、こんな朝から?!

 

 

 

そう判断した私は、呼び出しに出なかった。

 

 

ほどなく切れたが、

直ぐにまた呼び出し音が鳴った。

 

しばらく鳴り続けていたが、

結局、電話には出なかった。

 

 

しかし、

 

お兄さんからの電話が、お金の催促ではなかったと知るのは、

その夜のことだった。

 

執筆者プロフィール
松田ミキオ (まつだ みきお)
フィリピンに全く興味が無かった男が、まるで運命に導かれるようにフィリピーナに恋をして、31歳で国際結婚。周囲の好奇の目をよそに、結婚歴18年が経過中。詳しいプロフィールはこちら
カテゴリー

ページの先頭へ