まさか自分が…

 

離婚の危機…!

結婚しても数年で離婚する確率が高いと言われる、フィリピーナとの国際結婚。

 

 

御多分にもれず、自分にも離婚の危機はあった…。

 

 

 

初めて妻と喧嘩になったのは、結婚して一緒に日本で住み始めてから4~5ヶ月くらいした頃。

今思えば、本当にたわいもない事に、少し強い口調で自分が言い返したのが原因で、

妻は寝室に閉じこもり、口をきいてくれなくなってしまったのだった…。

 

 

参ったな…

 

 

 

フィリピーナの妻と初めての喧嘩に、どう対処すればよいか頭の中はパニック状態。

何度謝っても妻からは返事はない…。

 

まさか、こんな事で離婚に発展?

 

 

 

こうなれば仕方ない…と、自分たちより先に日本人と国際結婚していて、

当時そんなに遠くない場所に住んでいた妻の従姉妹に事情を話し、

家まで来てもらう様に頼み込んだ。

 

何とか妻をなだめてもらい、元の鞘に収まる事が出来た。

 

 

 

 

が…。

 

 

「夫婦喧嘩の仲直りに他人を呼ぶなんて、イカウ、恥ずかしくないの?!」

妻からこんな言葉が出てきた。

 

 

思い返せばこの出来事が、夫である自分への信頼が少し崩れた瞬間だったのだろう。

 

 

それからは、喧嘩をしては仲直り…を繰り返すようになってしまった…。

 

 

 

離婚まで秒読み段階に…

小さな夫婦喧嘩は相変わらずあったものの、結婚生活を無事に過ごしていたが、

風向きが変わったのは、一緒に住んでいた自分の母が病気で亡くなってからだった。

 

日本で一緒に生活を始めて8年目が過ぎていた…。

 

 

話し相手でもあった母がいなくなった寂しさからか、仕事がしたいと、

妻は夜のお店(水商売)で働き出した。

また、自分も当時は仕事のストレスから妻にキツく当たる事が多くなり、

夫婦喧嘩が増えていった。

 

 

それでも、妻は家出するような事もなく、喧嘩の時は涙を浮かべながらも耐えていた…。

 

 

 

しかし…

 

 

とうとう耐えられなくなった妻は、いつもお店で指名してくれるお客さんの家に転がり込んだ…。

 

 

数日間家に戻って来なかった代わりに、家庭裁判所から離婚調停の知らせが自分のもとに届いた。

 

 

 

○月○日○時から離婚調停を行いますので、必ず来所して下さい

妻である○○さんは、あなたとの離婚を希望しています

慰謝料1千万円を請求されています…

 

 

 

こんな内容が書かれた手紙を受け取った時、

 

「ふざけるな!」

 

という思いと、フィリピーナの妻に入れ知恵をしたであろう、そのお客の男にも無性に腹が立った。

 

 

「そんなに離婚したいのなら、別れてやる…だが、お金は払わないぞ!」

 

 

フィリピーナは最後はお金…

 

 

 

世間一般のそんな認識には負けたくない!

 

心の中にそんな強い思いが沸き上がってきていた…。

 

 

日に日に徹底抗戦も辞さない覚悟が固まっていた、そんな矢先、妻が帰って来た。

 

 

 

 

「ゴメンナサイ…やっぱり別れない…。イカウがカワイそう。」

 

 

何ともあっけない幕切れだった。

 

 

離婚数秒前の、妻の心変わり…。

それは1千万円出すのはカワイそう…という、いかにもフィリピーナらしい同情からのようだった。

 

 

 

結婚以来、最大の離婚の危機は乗り越えた!!

しかし数年後、更に予想すら出来なかった事態に襲われる事になろうとは、この時は知る由もなかった…。

 

 

 

 

 

 

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