私は"ピン中"…?!

フィリピンパブ

 

隠されていた心?!

閉店準備をしていた私は、突然店長に呼ばれた。

 

 

急いでカウンターに向かうと、

店長の隣には、最近いつも見かけていた、

"あの人"が、

笑いながらこちらを見ていた。

 

 

すると、"あの人"が、

 

「おぉ、松田…お前、ピン中か?!」

 

と、突然話を始めた。

 

 

「…はい?!」

 

 

ピン中…って何だ?!

 

 

 

意味がわからず、答えに困ってしまった。

 

 

 

ちなみに

ピン中とは…

フィリピンパブにハマった人、フィリピーナが好き、フィリピンが好き。

タガログ語にも興味を持ち、カタコトでタレントの女の子に話しかけたり、タガログソングを歌ったりする。

 

というような人のことをいう。フィリピン中毒の略。

 

 

 

 

何か仕事で失敗したのだろうか?

 

 

 

そんなことを考えながら、

いろいろなことを思い出していると、あることに思い当たった。

 

 

 

待てよ、

そういえば…

 

 

 

実は数日前、

「男性スタッフが足りないから、

系列店である日本人の女の子のお店に、何日かヘルプに行ってくれないか?」

 

という話が店長からあったのだが、

 

 

「このお店で働かせてください!!」

 

と、逆にお願いしていたのである。

 

 

 

そんなことを思い出した私の顔を見ながら、

 

「松田、フィリピンが好きか?!」

 

"あの人"は、笑いながら尋ねた。

 

 

「はい、フィリピンが好きです!」

 

 

思わず、私はそう答えてしまった!!

 

 

豪快な男

「そうか、ワッハハハハ!!

 

お前はこの店で仕事しろ。

 

松田さんはピン中か…ワッハハハハ!」

 

 

 

なんと…

目の前にいるこの男性が、

 

私の勤めるお店を含めた、

グループ会社の「社長」だというではないか。

 

 

 

アルバイトで採用された時の面接は店長がしたので、

まだ社長には会ったことがなかったのだ!!

 

 

 

 

この人が社長…

 

 

 

笑ってはいるが、

鋭い眼差し、がっしりした体つきは近寄り難さすら感じる。

 

そして…

 

全身からは何とも尋常でないオーラが出ている。

 

 

水商売のプロ…

まさしく、『夜の世界に生きる男』だ。

 

 

 

仕事には厳しい人…

 

そんな噂は聞いていたが、

社長の厳しさを私が本当に知るのは、

まだまだ先のことになる。

 

 

ともあれ私はこの日、

初めて会った社長の眩しさ、男らしさに、

憧れを抱いた。

 

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