我が家の庭先に…
結婚して1年が過ぎた頃、
我が家の庭先に野良猫が住み着いた。
白黒模様の、メス猫だった。
そんなある秋の日、
食べ物を食べていないとみえ、
すっかり弱って動けなくなってしまった。
「アサワ、
プサ(タガログ語で猫)、カワイソウ…。
アコ、食べ物アゲルイイデショ?!」
と妻。
猫は嫌いじゃないが、
一度に何匹も産むので、アッという間に増えてしまう。
猫屋敷にでもなったら大変だ…
そう思い、
心を鬼にして、
「ダメ!!」と妻には一言。
が、しかし。
私には内緒で、
妻は猫に食べ物を少しずつ、与えていた…。
その結果…
翌年の春、
可愛らしい赤ちゃん猫を、
5匹も産んだのだった。
賑やかな猫屋敷?!
初めは母猫の後ろに隠れ、
おっかなびっくりで、
こちらを伺っていた赤ちゃんネコだったが、
動き回れるまでになり、
徐々に慣れてくると、
食べ物をあげれば、
私たちの目の前で、
喜んで食べるようになった。
子猫たちは、
ミャーミャーと可愛らしい声で鳴き、
我が家の庭先は、
俄然にぎやかになった。
とは言え、
子ネコが全て大人になる訳でなく、
生命力が弱く、
途中で亡くなってしまったり、
いつの間にかいなくなったりで、
1~2匹残ればいいほうだ。
しかし、
残ったうちのメス猫が、
必ず翌年には妊娠、
5匹くらいは赤ちゃん猫を出産した。
そんな感じで、
最初に我が家の庭先に住み着いた、
白黒の猫から始まり、
数年間は、
我が家の庭先から、
猫の鳴き声が絶えることがなかった。
そんな、
ネコハウスともいえる我が家に、
仔犬がやって来ることになった…
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