シェアハウスのタレント…
若者の間でシェアハウスが人気だという。
寝る部屋は別々でも、
リビングで一緒に食事をしたり、
TVを見たりと、
孤独に陥りがちな独り暮らしに比べ、
誰かと話をすることで精神的にも健康になり、
悩み相談もできる。
また、
車などもシェアすることで余計な出費も抑えられる。
そんなシェアハウス生活。
私的には…
ちょっとした「部活の合宿」みたいな雰囲気で、
イヤじゃない…かな。
とても今風な感じだが、
似たような生活をしている人たちがいる…
それは、
フィリピンパブで仕事をしているフィリピーナ嬢たち。
まず、
日本のフィリピンパブで仕事をするフィリピーナには、大きく分けて2種類ある。
①日本人男性と結婚し、日本で暮らしているピナさん
②フィリピン在住でオーディションに合格し、来日するタレントさん
結婚して在日で仕事をしている①のピナさんは、
「アルバイト」などと呼ばれたりするのに対し、
②の女の子は、なぜタレントと呼ばれるの?!
かというと…
フィリピンでオーディションを受け、合格した者だけに興行ビザ(ダンサーかシンガー)を発給されて来日するため、そう呼ばれる。
しかし、実際にはホステスさんの仕事をする。
暗黙の了解…ということか。
日本のフィリピンパブ最盛期の2004年には、
年間8万人!
のタレントさんが来日していたのが、
アメリカから「人身売買ではないか?!」と指摘されたこともあり、
その後一気に年間8000人ほどまでに激減…
現在も、同じような状況が続いていると思われる。
そんなタレントのピナ嬢たちの、
日本での生活環境も、
スゴいものがあった。
以下は、あくまでも私の経験での話。
現在来日している、『タレント』の女の子たちの詳しい生活環境はわからないが、
似たような感じかと思う。
24時間一緒です~
ほとんどの場合、
お店から歩いてすぐの場所に、彼女たちの住むアパートがある。
マンションの1フロアー借り上げだったり、部屋だけを借りたりして、
タレントアパートにしていることが多い。
例えば…
6畳間に二段ベットが2つ、
10畳間くらいなら二段ベットが5つとか、そんな感じに寝室がある。
ダイニングキッチン、トイレ、シャワーなどは、共同。
個人のプライバシーは皆無。
タレントたちは、お店でも一緒、アパートでも一緒。
つまり、
24時間必ず誰かと一緒。
「ランナウェイ」
防止の意味もあるかもしれない。
いや、
逃げる時も一緒だ…
いつも一緒にいるだけに、
仲の良い子達は本当に仲がいい。
(犬猿の仲の子が同じアパートだと、それはもう悲惨…)
フィリピンパブで仕事を始め、
初めて彼女たちの住むアパートを見た時、
「プライバシー皆無の環境で、よく耐えられるな~…」
そう私は思ったものだ。
24時間、誰かと一緒。これはキツイだろう…と。
だが、
彼女たちは実に楽しそうに生活していた。
愉快な住人たち…
お店での仕事が終わり、私たちがアパートチェックに行くと、
シャワーが終わってリラックスしている子、
料理を作り食事をしている子、
フィリピンの家族に手紙を書いている子…
それぞれが、
思い思いに過ごしていた。
時には、
「ねぇ…マツダsan、ゴハンまだデショ?
一緒に食べるスル?!」
などと食事に誘われることもあった。
また、タガログ語で何かジョークを言っては笑い合っていたりと、
「出稼ぎ」の辛さを感じさせないのである。
フィリピンでも核家族化が進んでいるが、
子供が5人、6人で父母、祖父母と同居とかの大家族は今でも多い。
(ちなみに、私の妻は7人兄姉の末っ子)
部屋がなく皆で雑魚寝したり、
少ない食べ物を分けあって食べることが、珍しくない。
そんな環境で育てば、
一部屋に3,4人で暮らすことなど、それほど苦ではないだろう。
「助け合いの精神」が、日本よりも強いと言われるフィリピン。
同じような境遇で日本に出稼ぎに来ているから、辛さも寂しさもわかる。
だからこそ、
「仲間として助け合うのは当たり前」
そんな心境だろう。
それだけに、
彼女たちのアパートでの生活振りが、輝いて見えたのかもしれない。
もちろん、
性格的に明るい「南国気質」も関係してるだろう。
ちなみに…
フィリピンパブには、フィリピン人男性スタッフもお店に必ず一人はいる。
なかには、日本語の堪能なフィリピン男性もいて、
「タレントの女の子と、お店側のパイプ役」
をこなしている強者も。
そんなフィリピン男性スタッフたちも、
やはりお店近くのアパートで、
共同生活をしている。
そして…
やはり楽しげに生活をしている。
人はどんな環境にも適応できる。
そして、
住めば都。
本当にそうかもしれない。
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