食わず嫌いだった…
自分が二十歳の時、職場の先輩に連れられ、初めてフィリピンパブに足を踏み入れた。
当時は日本人の女の子のお店には毎週のように飲みに出かけていたが、フィリピンパブには興味がわかなかった…。
それは、フィリピンからの出稼ぎのホステス、片言のよくわからない日本語、そしてフィリピーナに関わるとトコトンお金を搾り取られる…という噂やマイナスイメージから興味が持てなかった。
フィリピン人は基本的に明るく人懐っこく、ジョークが好き。そして、とても家族思いだ。
特に、両親のことは大切にする。
家族のために出稼ぎで日本に来ることも、厭わない。
当時はそんなことなど知らないから、
日本語が通じないし、化粧も濃いし、つまらない…
それだけの理由で、フィリピーナ、フィリピンパブを意識的に避けていた…。
だが、それは食わず嫌いだった…。
結婚して気付いた…
ふとしたきっかけで、フィリピンパブで仕事をするようになった。
出稼ぎに来ている境遇さえも、まるで楽しむかのように、いつも笑顔を忘れないフィリピーナたちを目の当たりにした時、
あぁ、なぜ気付かなかったのか?!
と思わずにはいられなかった…。
明るくジョークが好き。
南国気質と言えばそれまでだが、日本人にはない、太陽のような天性の明るさに触れた時、こちらの気分までが明るくなるのを感じ、その魅力に気付かされた。
悪く言えば、フィリピーナの魔力にハマってしまった…。
そして、まさかフィリピーナと結婚するとは自分でも驚きだ。
止めたほうがいいよ…
そう忠告してくれる人もいたが、彼女と結婚したい!という勢いに任せて突っ走った…。
世間一般からすれば、あり得ないかもしれない。
信じられない、バカな奴だ、人生終わったな…そう嘲笑し冷ややかに見る者もいる。
だが、フィリピーナと結婚したからこそ見えてきたこともある。
もし日本人女性と結婚していたら、フィリピンとは無関係の人生を送っていたかもしれない。
日本人、日本について今みたいに考えることはなかったかもしれない。
フィリピンの貧困について考えることもなかったかもしれない。
だが、やはりフィリピーナと国際結婚して良かったと思っている…。
自分に色々な気づきを与えてくれた妻に、感謝したい。
妻が言った、こんな言葉が忘れられない…。
『イカウ(あなた)は今の仕事が好きじゃないかもだけど、ワタシはイカウのサラリーで食べていられるし、フィリピンにお金を送れる…
ダカラ、イカウがどんな仕事でもずっと好きだよ…』
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