彼女の家まではマニラから約2時間だという。
迎えに来た車に揺られながら、初めて見るフィリピンの街並みに驚きの連続だった。
空港周辺から市内は渋滞が激しく、道路はジプニー(ジープの荷台が長い乗り合いバスみたいな乗り物)、タクシー、トラック、普通車、バイク、歩行者が入り交じり、ごちゃごちゃしている。
行き交う車の中には、日本の中古車も多く見受けられる。
また、日本ではもう到底走ってないだろう、ボンネット型ダンプ!!とかのとんでもなく古い車や、壊れかかっているような車が当たり前に走っているのも印象的だ…。
そして…排ガスの強烈な臭い。ジプニーは米軍のジープを改造したものと聞いていたが、おそらくディーゼル車なのだろう。
あれだけジプニーが多ければ、排ガスの臭いもうなずける。
また片側2車線以上あると思われる道路も、日本みたいにライン表示はない(交通量の激しさにラインが消えてしまったのかもしれないが)。
隙間を埋めるように車が3~4台並んで走っているのは当たり前。
横断歩道表示など無いに等しいから、歩行者はどこでも道路を横断する。
そして、信号機は日本より極端に少ない。
道端にはフルーツや古着などを売る屋台が出てたりして、日本ではまず見れないだろう風景が目の前に広がっていた…。
渋滞で車が止まると、窓が少しでも開いていようものなら物売りがすかさず声をかけてくる。
タバコは1本からバラ売りしていて、バナナやお菓子、サンパギータ(フィリピンの国花)の首飾り等々。
物売りといっても、ストリートチルドレンのような子供も多く、またサンパギータの花売りはとても貧しい人々がする仕事だという。
開いてる窓から手を入れて盗みをしようとする者もいるから、車の窓は開けないように!と彼女からは言われた。
フィリピンはもっと後進国かと勝手に思っていたが、この交通量の多さは意外だったし、車のエンジン音、クラクションで騒々しい街中、人の多さは活気を感じさせた。
それでも、道端にはホームレスらしき人が昼間から寝転んでいたり、貧富の差を垣間見た気がした。
フィリピンにはその後も何回か行くことになるが、そんな街並みが自分は何となく気に入ってしまった…。
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