怒ると怖い妻…
フィリピンでの結婚手続きから7ヶ月余り。
晴れて日本人の配偶者ビザで彼女の在留資格が認められ、
喜んでフィリピンに彼女を迎えに行ったのは以前にも話した。
両親やお兄さん、お姉さんとの別れに涙する彼女を見て、
『この子を、一生大事にしていく!!』
そう心に固く誓った…。
一緒に住み始めて2~3ヶ月のうちは、”お試し期間”ではないが、
まだどことなくギコチない感じだ。
お互いのリズムを、まだ掴み切れていない状態だと言える。
しかし、4ヶ月も過ぎた頃だったろうか…
夫としての信頼を失いかけてしまいかねない、ある事件を起こしてしまった!
この一件を境に、
普段は隠れている妻の性格の一端が、徐々に露わになってきたのであった。
彼女は7人兄弟姉妹の末っ子ということもあり、
甘えん坊でワガママなところがある。
そして、変なところで気が強い。
結婚手続きでフィリピンに行った時にも、それは薄々感じてはいたのだが…
Putang ina mo!
そんなある日、
あまりにもワガママ過ぎるので、我慢がならず、つい、
「いい加減にしろ!」
と彼女に言ってしまい…。
あ、言わなければよかった…
と思ったが、後の祭り。
『Putang ina mo!』(プッタイナモ⇒馬鹿野郎!)
と怒った口調で、彼女から言葉が返ってきてしまった!!
フィリピンパブのスタッフをしていたから、それがどんな意味なのか、
自分にはわかる。
売り言葉に買い言葉、ではないが、
自分もまだ若かったから、イライラした感情を彼女にぶつけてしまった…。
彼女もストレスからか、タガが外れたように、
『Mamatay ka na』死ね
『Sira ulo』馬鹿
『Bobo』アホ
『Papatayin kita』殺すぞ
…
…
もう、言ってはいけない危険な言葉が次々に出てくる。
今なら、
彼女も義理の母との同居生活で、かなりストレスを溜め込んでいて、
そのはけ口を夫である自分に向けていたのだろう…
と理解も出来る。
しかし、当時はそんなことはわからず、
売られたケンカは買ってやる、とばかりに彼女に応戦している自分がいた。
かくして、3年目を迎えた頃には
『彼女を一生大事にしていく…』という誓いなど、すっかり忘れてしまったのだった。
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