子供は5人
「日本人の配偶者等としての在留資格」
を得た妻を、
フィリピンに迎えに行ったその帰り、
つまり二人で日本に入国する日の朝に妻が大泣きしたのと同じ日、
マニラ空港に向かう途中か、
飛行機の中だったかの覚えがあやふやなのだが、彼女が突然、
「アサワコ、2人の子供、5人ね!!
アコ、子供大好きダカラ…」
といきなり言い出したのである!
彼女自身、7人兄弟姉の末っ子ということで、
やはり、家族は多いほうが良いということを、
幼い頃から感じていたのだろう…。
しかし、
…
今の日本で、子供が5人もいる家庭は珍しい。
それこそ、大家族としてTVに出られそうである。
「アサワ~、ワカッタ?!ハ!」
そう畳み掛けてくる彼女。
『子供5人もいたら、学校に通うようになったら一体どれくらいお金がかかるんだ?!』
そんな稼ぎが、この俺に出来るのか…。
今思えば、
この時の弱気が、その後の波乱万丈の結婚生活を招いてしまったのかもしれない。
「オォ、ワカッタよ!!」
そう答えたものの、仕方なしの返事だった…。
3年目に…
当初は、アパートで2人だけの甘い結婚生活が始まった。
いきなり自分の母親、彼女にとっては姑にあたる人との同居生活は無理だろう…と思ったからだ。
日本人同士でさえ、嫁姑の間は良いものではないのに、外国人となると全くどうなるのか予測不能状態。
それでも、そう遠くない場所に住む姑のところに頻繁に行ってるうちに、かなり打ち解けたらしく、
「お母サン、1人で住むカワイソウ。
アコ、一緒に住むヨ…」
自分からそう言い出し、2人だけのアパート生活は数ヵ月で終わり、
私、私の母親(姑)、彼女、の3人での生活が始まった。
この時、
自分は何となくまだ、アパートで2人で生活していたほうが良いのでは…?!
そう感じていた。
自分の独立心が、親と一緒に住むことで実家に甘えてしまうのではないか?!
そんな不安が絶対に無い!
と言い切れなかったからなのだが…。
この時の決断が、その後の結婚生活を決める、
最初のターニングポイントだったかもしれない。
人生に、もし…というのはないが、
この時まだアパートに留まっていれば、全く別の結婚生活になっていたに違いない。
そして、それから3年後のある日…
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