二人でマニラの日本大使館へ…
初めてのフィリピン訪問から約4ヶ月後、
ついに、
彼女との結婚のために、再びフィリピンに行く日が来た!
本来なら、初渡比から2ヶ月後には結婚手続きに入る予定だったのだが、
彼女の体調不良のために、延期していたのだった。
満を持しての、日本大使館行きである。
フィリピン人と結婚するには、
まずフィリピン国内で結婚する必要がある。
そして、
その結婚証明書を日本の役所に届け出て、
初めて日本でも夫婦として認められるのである。
その第一関門として、
『婚姻要件具備証明書』なるものを、
申請、受け取るために、
マニラにある日本大使館へ、
結婚する2人が一緒に訪れなくてはならない!
フィリピン人、日本人ともに、
申請の為に揃える書類がいくつかあり、
その揃えた書類を提出し、
婚姻要件具備証明書を請求する。

日本の役所はしっかりしているから、
面倒くさいと思いながらも、書類はキチンと揃うが、
フィリピンの役所は仕事が遅いことで有名らしく、妻の方は大変だったようだ。
また、
在外の日本大使館というと、
態度が横柄だとか、
仕事が遅いとか、
あまり評判のいい噂を耳にしない。
マニラの日本大使館も、
応対は機械的な感じだった覚えはあるが、
そんなに悪い印象ではなかった。
ご主人と奧さま?!
申請は無事に終わったが、
翌日に発行される証明書を受け取りに、
明日再び大使館へ来なければならない。
付き添ってくれた彼女の長兄、長姉とともに、
大使館の前を歩いていると、
見るからに日本人とおぼしき男性が、
こちらに近づいてくる…。
そして、
「こんにちは、
ご主人、今日は婚姻証明書の申請ですか?!
奧さまも、暑い中、お疲れ様です!」
などと話しかけてくるではないか!
えっ?!
ご主人?!
奧さま?!
何ともこそばゆい響きの言葉に、
一瞬、
誰のこと?!
と考えてしまった…。
結婚するのだから、
ご主人と奧さまに間違いないのだが。
話しを聞いてみると、
結婚申請の代行サービス業者だという。
確かに、
『婚姻要件具備証明書』を、
大使館で受け取った後、彼女の居住地域の役所にも出向いて、結婚申請をしなければならない。
そして役所に掲示され、
10日間のうちに他者からの異議申し立てがなければ、晴れて結婚できる。
(これも、120日以内に結婚しなければならない、という決まりがある…)
代行業者に頼めば、役所に出向く手間が省け、楽ではある。
周囲を見ると、
大使館で見かけた何組かのカップルが、
やはり代行業者らしき男性から話しかけられていた…。
フィリピンで、日本人相手の商売が成り立っている、という怪しさ。
マニラ湾から吹きつける熱風、
海面に反射する、南国の眩しい太陽。
そして、
海沿いの道に植えられたヤシの木…。
初めて見るマニラの海辺を眺めながら、
ふと、そんなことを感じていた…。
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