Ikawは外国人ダカラ…?!
フィリピンという国は、私にとっては何もかもが魅力的に映る。
南国の眩しい太陽、ビーチのヤシの木、
長い黒髪の可愛いらしいフィリピーナの笑顔、
口髭を蓄えたトライシケルのドライバー、
ジプニーの乗降口の手すりに掴まりながら、立ったまま乗っている少年…
パレンケに集まる様々な人々…
一日中見ているだけでも飽きないのだが、
フィリピンに来たからには、フィリピンの色に染まりたい!!
常々そう思っていたが、
思わぬ形で、フィリピンの新たな一面を体験することになるとは…。
妻と結婚して2年目くらいの、フィリピン渡航時の出来事だったと記憶している。
妻と二人でのフィリピンへの帰国。
宿泊はもちろん、彼女の実家。
その実家から歩いて10分くらいの場所に、彼女のお母さんが野菜を作っている、小さな畑があった。
10坪あるかないかの広さだろうか。
オクラ、ミニトマト、モロヘイヤみたいな葉物野菜を作っていたように思う。
のとかな家庭菜園といった感じだ。
他にも、
妻のお兄さん、お姉さんの子供たちと一緒に近所にある小学校を見に行ったり、
皆でパレンケに行ったりと、
日本人の私が退屈しないようにと、
いろいろ気を遣ってもらった。
畑から帰ってきてしばらくしてから、
何となく体がダルく感じた。
疲れたのかな?!
そう思って初めはそれほど気にしなかったのだが、頭痛は治らず、夜になってから発熱も起こし、皆が慌て出した。
頭痛薬を飲んだりしても効き目がないのを見た妻は、
「イカウは外国人だから、
クボ(土地、ここでは畑のことだろう)にいるお化けに取り憑かれたんだよ、タブン…」
などと言い出す。
何を言ってるんだ?!
そう思ったが、
お母さんたちは心配して、何やら相談を始め出した…。
現れた祈祷師!!
「今、お祈りする人(祈祷師)呼んでるから、待ってて。」
と、妻が一言。
はい?!
祈祷師?!
病気をお祈りで治す、そんな話は聞いたことがあるが、まさかフィリピンはそういう国なのか?!
あまりにも怪し過ぎる…。
しばらくして家に来たのは、50代半ばくらいの女性だった。
ベッドで横になっている私に、ヴィックスというクリームを胸や腕、肩に塗ったり擦ったりして、何やらお祈りを始め出した。
時折、
彼はいつから熱が出ているのか?
今日は何処に出掛けたのか?
彼は何処の国の人?!
そんなことを妻に尋ねている。
お母さん、子供たちは心配そうに見ている。
現代の日本でこんな場面に遭遇することなど、まずあり得ないだろう。
しかし、
発熱と倦怠感で虚ろな状態の私は、
祈祷師のされるがままに身を任せていた。
とにかく、早く治ってほしい…
ただそれだけだった。
結局、
妻が言っていたように、土地のお化けに取り憑かれていたらしく、
祈祷師さんは、お祈りしたからもう大丈夫、とのこと。
初めての体験のあまりの怪しさに、
これがフィリピンの迷信、民間信仰か…
と妙に納得したのだった。
確かにその後はすっかり治ったので、効き目があったのだろう。
こんな出来事も、
フィリピンの魅力から私が離れられない原因かもしれない…。
コメント